V404 Cygniが26年ぶりに大規模な爆発を起こし、1.4GHzの電波帯では2015年6月21日に突如明るい天体の出現が観測された。那須電波干渉計では爆発の約1ヶ月前からV404 Cygniを含む帯域を毎日の観測対象としていたため、爆発の前後を含めて詳細なデータを得ることが可能となった。V404 Cygniの大規模な爆発は約10日程度続いたが、その間那須電波干渉計は貴重なデータを取り続けた。那須での観測結果および他の観測所で得られた様々な波長でのデータを総合的に検討することにより、今回の爆発の特徴的な様子が明らかになったので、それらをまとめて今回の論文として発表した。また本論文の前半では那須電波干渉計の基礎となる空間FFT電波干渉計の動作原理および基本的なデータ解析法について解説した。
Kuniyuki Asuma, Kotaro Niinuma, Kazuhiro Takefuji, Takahiro Aoki, Sumiko Kida, Hirochika Nakajima, Kimio Tsubono, and Tsuneaki Daishido:
"Observations of V404 Cygni during the 2015 outburst by the Nasu telescope array at 1.4 GHz"
Publications of the Astronomical Society of Japan, vol.72, no.5, 77, (2020)
arXiv:2006.13465v1